メタル・ウォーズ 2008 3 2

「メタル・ウォーズ 中国が世界の鉱物資源を支配する」 
著者 矢口 正次  東洋経済新報社

 負けたのである。
日本は、鉱物資源において、中国外交とメタル資源メジャーに。
 時折、思い出したように、
日本の経済担当大臣が、鉱物資源大国を訪問するが、
それは、ニワトリが地面に落ちている餌を拾うようなものである。
 このように書くと、日本人は意気消沈しやいでしょうが、
基本的に、ピンチの時はチャンスでもあるのです。
 「負けた」と書いたのは、
あくまでも天然の鉱物資源において負けたのです。
人工の鉱物資源においては、日本は勝利者になるかもしれません。
 この本の218ページから221ページには、こう書いてあります。
「地下資源から地上資源へ 有望な都市鉱山の開発」
「使用済みのデジタル機器などに使われている、
貴重なメタル、レアメタルそしてレアアースの完全リサイクルを目標に、
技術開発と制度設計を急ぐ必要がある。」
「DOWAホールディングス社は、デジタル機器などから、
有用メタルを回収・リサイクルする事業を経営の柱の一つとして位置づけ、
事業環境づくりに熱心である。」
「DOWAホールディングス社は、この事業を『都市鉱山』、
開発対象のリサイクル資源を『人工鉱床』と名付け、
熱心に、その開発に取り組んでいる。」
「『人工鉱床』をつくり、国内資源の囲い込みを急ごう」
 なぜ、今、都市鉱山なのか。
それは、この本によると、
天然の鉱山開発が、激しい環境破壊を引き起こすからです。
 この本では、こう書いてあります。
「メタル資源開発の闇 資源開発は自然破壊そのもの」
 著者によれば、「不都合な真実」という映画があるが、
実は、ここにも不都合な真実があるというのです。
 環境破壊とは、工場の排水や自動車の排気ガスを連想するが、
実は、鉱山開発も、激しい環境破壊をもたらしているという。
 さて、都市鉱山でも、日本は、中国に負ける可能性があります。
最近の日本の政治家は、「政局」という趣味に明け暮れています。
政治家が政局という趣味にうつつを抜かしている間にも、世界は動いているのです。
日本の政治家には、「世界と日本」という視点が、全く欠けています。
 「政局争いが我々の仕事であって、
国家戦略を考えるのは官僚の仕事である」と政治家は言うでしょうが、
それは永田町の論理であり、国民の側から見れば奇妙に見えます。
















































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